2008年


2008年1月

<シンプルに考える> 

明けましておめでとうございます。

 昨年後半に顕在化した米国のサブプライムローンの影響で、株価の世界的暴落で新年がスタートしました。何かバブル崩壊の1991年の年明けを思い出したのは私だけでしょうか。その時は年明けの一時的反発と思われ、後に振り返ればそれが崩壊の幕開けあったのです。今は浮かれた世相もないのに、実体経済の更なる転換点なのでしょうか。実際のサブプライムローンの不良債権が顕在化してくるのは今年であるとも言われています。その一方で、原油や金といった天然資源に投機マネーが流れ込み、ガソリン代や色々な食料品等も値上がりしてきました。原料高の半製品価格据え置きで、小企業は利益が圧迫され、物価高の賃金据え置きで一般の人は家計が圧迫されています。

 景気の動きを知る指標として、日銀短観や、内閣府、経産省発表の景気動向指数がありますが、どれも先行きにやや不安はあるものの足元の景気は堅調と言った表現をとっています。一方で、最も早い景気指標である「街角景気ウォッチャー」(タクシードライバーや、パートの人々といったごく一般の人々に、今どう感じているかを聞き取り調査して発表するものです。)によると、昨年12月の調査結果の現状判断指数は9ヶ月連続して低下していて、先行指数も8ヶ月連続の低下です。

 思想家吉本隆明は、著作「真贋」の中で、情報過多に時代だからこそ自己の判断基準はシンプルにしている、と述べています。例えば景気判断にしても「社会の大きな景気の動向については、実感、経験と切り離して判断するが、一番大事にしているのは自分の肌感覚というか、身の回りの印象です」と述べています。続けて「いくら新聞が日本の景気が回復基調だとデーターを示して言っても、それは違うと思う時があります。大企業が黒字になってきているのは事実でしょうが、私の住んでいる町を見たらすぐ実情がわかります。」と、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じるものを判断材料としているのです。

 ここ数年私自身の景気の見方が、ずっと悲観的であり続けているようです。悪く見ていて良く成れば儲けものと考えていますが、そのような見方をしているのに、たいした手を打っていない自分がいます。しっかり考え、常に問題意識を持っていなければ、目の前の物も見えなかったり、人の話を聞いても何も感じなかったりするのではないかとの自戒をこめています。


<メタル・エキスプレス>

 高炉2大グループは相次いで国内鉄鋼価格の値上げを表明しました。時期は4月出荷分からの予定で、値上げ幅は一般店売りは1万円〜1万5千円(1トン当たり)の予定です。値上げ理由としては、世界的な石油や鉄鉱石等の資源価格の値上がりと、国際価格に比べて国内価格が陥没しているための是正が大きな理由です。アメリカや中国向けの輸出価格より国内出荷価格が低いからといっていますが、それは海外での需要が活発で、内需が低迷しているという需要差によるものです。それを修正しないと利益が出ないというなら仕方がないかもしれませんが、創業以来の利益を出し、海外向けはまだ高く売れるのだから、国内価格も高くしてもっと儲けようという姿勢のように感じます。特に一般緒口と言われる不特定多数の中小企業工場向け材料は、最も内需に頼っている業種であるのに、それらはあたかも製鉄メーカーにとっては面倒なだけのお客としかうつっていないのではないでしょうか。国際競争に勝つために巨大化した製鉄グループは、国内においては結局価格支配権を握り、理不尽な値上げを押し付けてきているように感じるのは私一人でしょうか。

<今月の一冊>「分裂にっぽん」朝日新聞社

 「リストラと効率化で筋肉質に戻った大企業は、回復への足取りを確かなものにしつつあった。

しかし、大都市への一極集中と、疲弊する地方、バブル再来を謳歌する新富裕層と、明日の生活もままならないワーキングプアの若者。正社員と派遣、請負など非正規社員。

 ほどほどに暮らせる人々や街を出来るだけ数多くして分厚い中流層を保つことが、日本の戦後民主主義の支え合いと情緒豊かで平和な社会の基礎にあったのではないか。」

2008年3月

<スタグフレーション到来か?>

 足元の景気が今ひとつぱっとしない状況の中で、昨今、石油を皮切りに値上げラッシュになってきています。特に石油もそうですが、天然資源、一次産業資源の値上がりが顕著で、そのために末端の小売価格も上昇してきています。このような景気が停滞、もしくは減速している中で、物価が上昇していく状況を「スタグフレーション」といいます。通常は景気が上がれば、物価もそれにつれて上昇し、逆に景気が減速すれば物が売れないので売る為に価格が下がってくるのが普通です。このような通常の景気と物価の動きのときは、政策的に金利を調整することで、その状態を乗り越えようとします。しかし、「スタグフレーション」の時期は、景気が悪いので金利を政策的に下げたとしても、購買するものの値段が上がっているので、その下がった金利の利点を相殺してしまい、政策の打つ手が狭められてしまいます。

1970年代前半に石油価格が高騰し、第1次オイルショックがおこり、70年代後半の第2次オイルショックでは、多くの先進国がスタグフレーションに陥りました。日本でもトイレットペーパーの買い付け騒ぎが起こったりしました。その時と現在の状況で大きく違うのは、70年代では日本は、雇用関係がまだ終身雇用の時代であり、賃金も物価スライド制が主流であったため、物価が上昇すればそれに伴って企業側も厳しくても賃金を上げざるを得ませんでした。しかし、昨今は、ここ数年国民の平均所得が減少の一途をたどっています。物価が下降している時ならそれでも実質賃金はあまり影響を受けませんが、ここへきての物価上昇は実質賃金の目減りを招きかねません。生活を防衛するために安い食料品を買おうと思っても、大半を輸入に頼っているために、特に最近問題になった殺虫剤入り冷凍餃子のような中国製の安心できない商品であったりします。

アメリカ発のサブプライムローン問題に端を発して、投機マネーが石油等の天然資源に流れ、その為の石油価格の高騰から、バイオ燃料要求の高まりで穀物生産バランスを狂わし、小麦等の食料品の値上がりにもつながると言ったように、グローバルなサイクルの中に我々も飲み込まれようとしています。一個の生活者としては抗し難く、生き残るには自ら小さなサイクルを創り出し、見い出し、その中に片足だけでも置いて、大きな流れに翻弄されないようにしなければなりません。色々な意味での内需サイクル、地産地消を改めて考え直す時期です。

<メタル・エキスプレス>

 前号で鉄鋼価格の値上げは1トン当たり1万円から1万5千円の予想と書きましたが、2月末に正式に高炉各社は1トン当たり2万円プラスアルファーになると発表しました。同時に、5月から7月にかけて今度は石炭価格の上乗せとして、さらに5千円〜7千円/トンの値上げ予測も発表されました。値上げ前にはその状況を浸透させるために、又、大手ユーザーの前倒し受注を優先させるために、一般市場向け供給は大幅に制限されます。各流通も商品確保のために在庫の積み増しに走るため、市況価格は値上げ基準価格に向かって上昇している。

今回の値上げは、短期間で急激であるので、価格転嫁をするのかしないのか、するとしたら速やかに交渉に入らなければならないし、値上げしないのであれば、今回の約20%に当たる仕入れコストの上昇による利益の低下を、どのようにカバーするのか真剣に考えなければならない。

<今月の1冊>「2010年の日本」野村総合研究所  東洋経済新報社刊

 「団塊の世代は、これまでその突出した人口量ゆえに過去の社会システムと摩擦を引き起こし社会現象の触媒となってきた。今度は、その退職後の第二の人生、いわゆるセカンドライフに伴う変動を起こす。」

キーワード・・・団塊自由人の大量誕生(順次生まれる約1000万人の元気な自由人)

        画一的「老後」の終焉(ITが利用でき、情報量と時間が豊富)

        団塊世代による起業(スモールビジネス、NPO,ボランテイア)

        セカンドライフ革命(道楽と稼ぎと社会還元の融合

2008年5月

<歴史に学ぶ>

若かれし高校時代、歴史の先生がその授業の最初の時間に「君たちはなぜ歴史を学ぶのか考えたことがありますか」と質問されました。勿論私は答えることができませんでした。その先生答えて曰く「歴史とは過去の出来事です。そしてそれはとりもなおさず実際に起こった出来事です。その過ぎ去った事実をどう評価するかはその後にゆだねられますが、歴史とはまさに過ぎ去った事実を知り、後の評価を考察する事です。現代のことは今体験しているからわかります。しかし未来のことは誰もわかりません、何が起こるか今を基準にして予測するしかないのです。将にそのために歴史を学ぶのです。」と。

前号でも書きましたように、現在、原油・原料資源の急騰が起こっています。それらはサブプライムローン問題から流れてきた投機マネーの大量流入と中国、インドの急成長による需給バランスの崩れに起因するところが大きいのです。stagnation(不況)+inflation(物価高)=スタグフレーションです。

1970年代に起こった、スタグフレーション(オイルショック)時、日本はそれまでの石油多消費産業(鉄鋼、化学等の重化学工業)から、石油少消費産業(自動車、工作機械、半導体等)中心に大きく舵を切り、同時に省エネルギー機器開発に国を上げて取り組み、それを乗り越えました。今回の物価高は穀物市場の高騰も伴い、その影響は、ミャンマーの大洪水、中国四川省の大震災の影響もあって、弱く、貧しい国に大きく出ます。

その当時と今では歴史的背景は大きく違います。1970年代は、石油産出国=供給側の思惑で原油価格が高騰しましたが、今回は供給サイドの寡占化、中国・インド等の急激な経済発展による需要の増加もありますが、過去のスタグフレーションの時と最も異なるのが、実体経済の3倍とも、5倍ともいわれるヘッジファンドを中心とする投機マネーの攪乱です。原因と結果をよく見極め、そのライン上に乗らない政策を第1次、第2次オイルショックの時に取り、その難局を乗り切ってきました。時代背景は違っても、その原因と結果のラインに乗らない方針を立てることが歴史から学ぶになることになるのではないでしょうか。

 寡占化された川上と、寡占化されつつある川下の間で翻弄され、漂うばかりでは生き残っていけません。又、自社だけの力では抗し切れなくなって来ています。自社の置かれているラインを見つめ直し、そのラインから離れることを考え、それを実行するために信頼できる仲間とともに知恵を絞って限りあるそれぞれの経営資源を持ち寄っていかなければなりません。まして我々中小企業は、もっと内需型産業にシフトしていかなければ生き残っていけないのです。そして今生き抜くことは、近未来から見れば、将に歴史を作っていくことになります。後に評価される歴史を創って行きたいものです。

<メタル・エキスプレス>

 5月に入って高炉各社と自動車メーカーとの価格交渉が決着しました。石炭価格アップ分も含めて約1トン当り3万円弱での決着です。4月納入分にさかのぼっての実施ですが、高炉側にすると予想以上の高値決着です。今年4月の大幅値上げ後 大きく需要が低迷していますが、7月の再値上げに向け、この予想以上の結果が一般市中品価格にもメーカーサイドは条件が整ったとして強気の姿勢で臨んできています。国内の需要だけ見れば低迷していますが、海外需要はまだまだ旺盛で粗鋼生産を増産して対応しようとしています。

<今月の1冊> 清和会講演語録より

「人口減少は先進国の宿命である。ところが、アメリカだけは毎年約300万人も人口が増えている。移民を大量に受け入れ、特に30代の一番お金を使う世代を増やしている。そんな国家のまねをしては、日本は太刀打ちできない。環境や、資源の問題に対処し、人口が少なくマーケットが小さくても、国民が豊かな社会を作れるかどうかである。ちなみに18世紀の江戸時代、バブルのような元禄期を過ぎ、人口が減少したこの時期に、浮世絵や、漆器、陶磁器、木版画の印刷技術が進歩し、まさにニューメデイア社会を作って行った。また、多くの人々が寺子屋や藩校に通って勉強し、その当時80%といわれるほどダントツの識字率を誇る国ができて行ったのである。こうした文化を創り出す能力を持った国家というものを200年前に経験しているのである。人口減少を良いことと頭を切り替えれば、これからの社会の新たな展望が生まれてくるのである」

2008年9月

<失われた10年の世界的再来か>

 8月の日銀の発表で「景気は停滞している」と認め、政府もそれに追随するように、数日後「景気は後退局面に入っていると思われる」と発表しました。我々中小企業にとっては、「今頃なにゆうてんねん!」といった感がありますが、その後アメリカでは証券大手のリーマン・ブラザース社が破綻し、いよいよ日本のバブル崩壊後の様相を呈して来ました。

住専が破綻し、その2年後、山一證券の倒産、それと前後して、長銀・北海道拓銀と次々金融関連企業の大型倒産が続き、後に「失われた10年」と言われたバブル崩壊不況に入っていきました。今回のアメリカのサブプライムローン問題に端を発した危機は、日本と同じ道を歩むのでしょうか、歩むとしたら世界経済の牽引者を自負する大国発の不況ですから、日本のそれとは比較にならないほどの大きな影響を与えるでしょう。国内の景気後退はまだその端緒に入ったばかりと考えていたほうがいいかもしれません。悲観的と思われるかもしれませんが、その方向に思考回路を転換させ、行動を変えていって、何もなければ良しとしなければならないでしょう。在庫を減らし、商品を見直し、社内を改善し、より深くお客様に添う営業を心がけ、そしてキャッシュフローを高める経営が求められます。

「失われた10年」の間でも延びた企業もあるはずです。介護ビジネスや、インターネット・携帯電話関連などのサービス産業が大きく発展しました。それに伴って、その産業の周辺に存在する製造業も伸びたはずです。そう考えれば、失われていったものは従来型の産業であり、今まで通りの商売のやり方であったのかもしれません。高齢化という社会変化の中で、「介護ビジネス」と言う新しい事業領域が誕生し、地球温暖化という世界的問題の中から「環境ビジネス」というジャンルが生まれました。このようにいつの時代でも新しい事業領域は生まれてくるものです。既存の業界の中でも新しいビジネスモデルが生まれ、新商品は次から次へと生まれてきます。縮みの社会へ入ろうとしているこのとき、足元を固めると同時に、出来る限りリスクを抑えた、小さくてもいいから新しい変化の第一歩を踏み出さなければなりません。その踏み出すべき方向付けの考え方のヒントとして、ある方が言われた言葉を最後にお伝えします。

「よそ者、若者、女性、ばか者」・・・(異業種の話を聞け、若者・女性の声に真摯に耳を傾けよ、そして愚直に進め)

<メタル・エキスプレス>

秋の需要期に入っても、思ったほどに材料の荷動きは芳しくない状態が続いている。高炉各社は10月の再値上げに向けて準備を進めているが、ここへ来ての急激な円高や、世界的な需要後退の局面を向かえ、一般市中も、大手ユーザーも再々値上げに対してかなり難色を示している。しかし、高炉は2グループに集中された独占的供給サイドであるので、供給を引き締めることによって、常にタイト感を持たせて再々値上げの時期を模索している。

 スクラップ価格は今年前半急騰したが、夏前後一転して急落し、それにつれて電炉製品である一般鋼材、厚板価格も下降して来た。これは高炉品を追い越すまでになった異常価格の揺り戻しと、中国がオリンピック景気に浮かれてスクラップを爆食していた状況から一段落した結果でもあろう。今後の見通しとしては短期的には不透明な部分があるにしても、長期的な視野で見るとしばらくはまだ上がっていく傾向は強いであろう。

 <今月の1冊> 「有機農業が国を変えた」吉田太郎著

社会主義国キューバでは、ソ連崩壊後に米国の経済封鎖が追い討ちをかけ、輸入が激減した。中でも自給率40%の食糧問題は切実であった。化学肥料が不足し、やむにやまれず有機農業を復活させる。日本では食の安全と付加価値という視点でしか見られない有機農業で、自給を取り戻した。

統計上ではキューバは貧乏な国だ。しかし医療や教育が保障された生活、国を挙げて危機を乗り越えた事実を見た。疲れて希望をなくしている日本では、不景気、リストラ、管理社会といやになる話ばかり。豊かさとは何だろうと考えさせられる。

2008年11月

<付加価値の見直しと新たな仕事づくり>

 7月上旬に発表された6月の日銀短観や、月例経済報告、景気動向指数、景気ウォチャー指数等あらゆる指数が後退指数を現してきています。食料品を中心として物価が上昇し、景気後退しているために所得が伸びず、国内消費に陰りが出始めています。郊外型ショップやレストランもガソリン価格の高騰で客離れが起こり始め、色々な業種で商品在庫の積み上がりが起こっています。GNPの約60%を占める国内消費が伸びはしないが底支えをして、その上に好調な輸出や、海外向け・大手企業向け設備投資が乗り、最近までの戦後最長といわれた景気を作り出していました。労働者の80%以上が所属する中小企業は、一部の上記好調業種関連企業の下請けを除いて、国内市場に頼っている所が大きいのです。輸出が陰りを見せ、その上に底支えしてきた国内消費が落ち込みだしたことを考慮すると、この回復には長い時間が必要かもしれません。

 中小企業はコスト競争では大手に勝てないので、自社の強みを生かし、付加価値をつけることで勝ち抜かなければならないと言われます。弊社の強みは何だろう、何を付加価値として提供しているだろうと改めて考えてみました。

「多品種小ロットにも短納期で対応します」これを自社の強みと思ってきました。しかし、仕事が減ってくると、大手もそれに対応してきます。

「シャーリング(切断)するだけでなく、色々な加工をして提供します」付加価値をつけて販売していると考えていました。しかしこれは、お客様の領域を侵食しているだけです。自社の事業領域(シャーリング業)が縮小しているのは、お客様や、仕入先をも含めた大きな事業領域が縮小しているからなのです。そう考えれば、今までの付加価値に疑問符を打たざるをえません。新たな付加価値ではなく、新たな仕事づくりに真剣に取り組まなければならないのではと考えます。そのためには一社一人で考えるのではなく、信頼できる仲間とチームを組んで一緒に考え、それぞれの持ち味を持ち寄って行動して新しい仕事を創造していかなければならないでしょう。官学が持っている知恵に中小企業が集まって、産官学連携するという今までの形ではなく、高い使命感、理想の下に集った数社の中小企業が、新しい取り組みを進めるのに必要な専門的知識を得るために学を自ら選択し、必要な官の仕組みを活用するといった、あくまでも企業を中心に据えた連携を組むと言う発想です。弊社もこれから新しい仕事づくりにチャレンジしていきます。

<メタル・エキスプレス>

 一般消費が4〜6月にかけて3ヶ月連続で低下し、消費動向指数はバブル崩壊直後の数値を下回り、特に6月はこの統計を取り出して以来、最低の数字になった。それに伴って、金属関連も3月の値上げ前の仮需以来、荷動きが停滞している。そういった中でも、オーストラリア産の鉄鉱石の価格が春ごろの予想を大幅に上回って、前年の約2倍に決定したのを受けて、高炉各社は7月にも再値上げを実施した。さらに、内外価格差や、海外需要の増加を言い分にして、秋口にも再々値上げを匂わせてる。この7月の値上げには仮需要も起こらず、今年に入って約3割のコスト上昇にもかかわらず売上が対前年同月比で伸び悩んでいるのは、それだけ数量ベースでの落込みがきついと言うことになる。例年5〜7月は荷動きの悪い時期ではあるが、夏以降その反動的上昇があるかといえば、それはあまり期待できないのでは・・・。

<今月の1冊> 「残業ゼロの仕事力」吉越浩一郎著

「昔も今も会社組織を健全に運営していくために会議ほど重要で役に立つものは他にないと私は思っています。もし、会議なんか役に立たないと言うのなら、それは役に立たない会議をやっていることが問題なのであって、会議そのものが必要ないということでは決してないはずです。

会議の目的とは、簡単に言えば、会社の問題を顕在化し、会社にとって最適な解決策を発見して実行することです。」

「仕事をしていれば毎日のように問題が発生します。何も問題が起こらない会社や職場というのは、きわめて危険な状態にあると思った方がいいでしょう。なぜならそれは真の意味で問題がないのではなく、水面下に潜む問題に気づいていないか、問題が発生しているのにまともに取り組もうとせず場当たり的な対処でその場をやり過ごしているか、あるいは流されて仕事をしているので最初からその問題一色そのものがないかです。」