2013年


2013年1月

明けましておめでとうございます―

<神仏を尊びて、神仏を頼らず>

昨年末、猫の目内閣が倒れ、自民党が大勝して返り咲き、安倍首相も又返り咲きました。

デフレ脱却、景気上昇を全面的に掲げて議席の過半数を大幅に超える支持を得たように見えますが、実態は消去していって残った政党が自民党というのが実態のようです。

 今年はどんな年になるのでしょう。20144月の消費税8%実施の前提条件として、今年は何としても景気を浮揚させなければならず、日本を取り巻く中国、韓国が共にトップが変わり、アメリカもオバマ大統領が再選された初年度にあたることを考慮に入れると、今年は昨年よりは確実に景気浮揚策が取られるでしょう。しかし、欧州危機の火種は残ったままだし、中東情勢も不安定さを増している中で、本当に日本の実体経済は浮揚するのでしょうか。年明けから株価が上がった、円安になったとマスコミでは良いことのように報道されていますが、円安になるということは輸入品のコストが上がるということで、入超になっている日本としては、プラス面よりマイナス面が多いということです。

又、2015年秋には消費税10%が待っています。こう考えていくと、今年は確実に昨年より景気動向は上向かされるでしょう。しかし、持続可能な景気対策でない限り、それは需要の先食いになり、世界的に見ても、歴史的に見ても、消費税UPの後は必ずと言っていいほど反動の景気減速が起こります。だから、ある意味で今年は正念場の年になるかもしれません。今年何をしておくのかで、来年どう乗り切るかが決まります。

どんな年になるのかは、日本の政治や世界経済の動きに左右され、一人ひとりの力ではどうしようもないものがありますが、どんな年にしたいのかは個人、経営者次第です。

敗戦後、復興には100年かかると言われていた日本が、50年足らずで世界第2位の経済大国になったのは、「団塊の世代」(これを書いている私自身も)と言われる世代の親達がまず復興の礎を作り、その上で大量のその世代が拡大再生産のシステムを作り上げ、物質的に充足された生活を築き上げてきました。これは、世界に類を見ない勤勉で、穏やかで、教育水準が高く、中庸の精神を持った国民性だからこそなし得た到達点だと思います。しかし、ピークとなったバブル崩壊後、特にリーマンショック以降、デフレ経済に突入してなかなか抜け出せないのが実情です。それを今度の新政権が脱却を目指すと言ってくれています。ありがたいことですね。

剣豪宮本武蔵が吉岡一門との決闘に臨んで有名な「一乗寺下がり松の決闘」に行く前に、ある神社の前で唱えた言葉が今回表題にした「我、神仏を尊びて、神仏を頼らず」です。新年多くの方が初詣に行かれたと思います。その時どのように心の中で唱えられたでしょうか。私は昨今、お参りする時には、例えば『売上倍増して下さい』ではなく、『売上必ず倍増させますからどうぞ見ていて下さい』と唱えるようにしています。神仏の前でお願いするのではなく、誓うようにしています。政治動向や、経済環境を見きわめることは大事ですが、外部要因に頼ることなく、惑わされることなく、自らの感性を信じ、自らの進むべき道をはっきり見切り、ある時は大胆に、又ある時は小心に、それこそ二刀流を使い分けて、今年襲い来るであろう新たな波を乗り越えて、さらにその先にある荒波を超える心構え、経営構えをして行こうではありませんか。

<鉄鋼業界の動向>

昨年は市中相場が下がり続けた1年であった。2年半にわたって下がり続け、その間、東日本大震災、欧州通貨危機、日中摩擦によるブレーキと、連続して需要の縮小が続き、市中相場が下がり続け、売り方も価格競争に陥ってしまっていた。行き過ぎた振り子は必ずゆり戻しが来る。今年は新日鉄、住金の合併があり供給サイドの寡占化が進む事もあって、外材の動向次第だが、市況は底を打ち、反動がやってくるのではと感じている。その時期がいつで、どこまで戻るかは不明確な所もあるが、遅くとも夏以降は反発があるかもしれないと考えている。

<新しい市場のつくり方>三宅秀道著(中島隆信 評より)

「価値を生まない技術への固執は技術者の単なるプライドにすぎない。ならば新たな価値とは何か、それは『文化の創造』である。ものづくりの価値は利用者とのキャッチボールによって高まって行く。こうしたプロセスを『問題の発明』と称する。あらかじめ存在する消費者ニーズを見つけ出すのではなく、人間の暮らしの形を変化させるほどの創造性が求められる。…こうした創造性は、人間の弱さへの注目、例えば、高齢者や障害者の生活の質の向上という気配りが行きとどいた優しい視点が、新たな問題発明の可能性を切り拓く中から生まれてくる」

<最近の動き>

昨年の1122,23日に開催された「生野・東成ものづくりフェスタ」では、地域の方が多数お見えになり、個人的な別注表札や、透かし彫り行燈、明治村ペーパークラフト簡易版等のご注文をいただきました。                  


2013年3月

<極>

アベノミクスの影響で、株価は上昇し、円安が進み、政府発表の3月の月例経済報告でも3ヵ月連続して好転の兆しです。昨年末の総選挙で自民党が大勝しましたが、その時注目されたのが第3極と言われた政党です。自民党か民主党かという2極ともう一つの対立軸という意味で第3極となったのでしょうが、そもそも「極」とは「極まり」のことですので、南極とか北極のように、1,2,3極は対立軸になければならないのに、よく似た政策で極と呼ぶのはいかがなものかと思います。

昨今、時代は2極分化とよく言われますが、その場合ある商品で言うと高級品か、低価格品かという選択肢に分けられています。それは供給側がどちらの商品を提供するかで、購買者もどちらかの層に限定されます。購買者は2名存在することになるのです。供給側も高級品を売るならそれらしい店づくりを、低価格商品でいくなら、徹底した合理的な店づくりを考えるでしょう。しかし、もう一つ2極ほどはいかないが分化する購買行動があります。それは普段は景気が悪いから、旦那の給料が上がらないから、といった理由で安い店で買い物をしている主婦が、今日はお客様が来るからとか、子供が帰ってくるから、何とかの記念日だからとかいう理由で少し高くてもおいしいもの、チョットいいものを買うという消費行動です。その選択の時購買者は1名です。このチョットがくせもので、今まで超高級か、超安値かの二者択一からその中間にあったチョットいいもの、チョット安いものというあまり大きな差でない小さな差を考えることが存在するのです。私が関わっている「八百屋マン・マーケット」(働きにくい若者の就労訓練の場)という野菜・果物の移動販売でも、いつもの常連さんが「明日は孫が来るから」という理由で、お米やお菓子類といった普段買わないものを買って頂ける時があります。これも普段と違う消費行動です。

今まで、私達はものづくりを考える時、つい対極を考えがちですが、その間にある、チョットした差を持ったものを同時に考える事が出来たらそこは最も大きな市場なのかもしれません。そうしたチョットした差をつけた商品を両方作れるのならそれに越したことはありませんが、それが無理なら、チョット対極にある企業と手を組むことで相乗効果が生まれるかもしれません。

ライバル店が全くいないところに店を出すのも一つの方法ですが、少し違いがある同じ業種の店がすぐ近くにある方が両方繁盛すると言われる所以かもしれませんね。

<鉄鋼業界の動向>

世界同時不況で昨年まで進んでいた原材料安の傾向も、アメリカの景気持ち直しの兆候や、円安の進行で、その原料を輸入に頼っている高炉メーカーをはじめとする重厚長大メーカーは、値上げムード一色に染まり出した。国内もアベノミクスの影響で、復興を含む公共事業需要が大幅に増えるだろうという見通しもあり、H形鋼をはじめとする一般鋼材は早くも値上がりしてきた。強含み前にはいつものことながら流通の在庫が膨らみ出すので、一部の品種によっては品不足の傾向をかもしだしている。需要が本格的に増えているわけではないので、製品には転嫁しにくく、当面は仕入れ価格を注視する必要があるだろう。

<今月の1冊>「世界を変えるデザイン」シンシア・スミス編

「世界人口の90%にあたる58億人は私達の多くに取って当たり前の製品やサービスにはまったくと言っていいほど縁がない。この90%の人々の生活をよくするには、何が必要だろうか。『思い』だけでは何も変わらない。お金の援助もそれだけでは不十分。実際に人々のライフスタイルを改善する具体的な「もの(製品)」が必要なのだ。シンプルだが考え抜かれたデザインが人々の生活を大きく変える。消費社会にあふれる「もの」とは少し異なる、世界を変えるための「もの」。きれいなもの、珍しいもの、新しいもの、欲しいものは次々に作られて売られているが、本当に「必要とされているもの」はどうだろうか・・・」

「アプロプリエート・テクノロジー(適正技術)」とはシンプルで低価格、生産・販売がしやすく差し迫ったニーズを満たす技術」

<弊社の最近の動き>

*A社さんが展示会に出展する自社商品のミニチュア模型を製作させて頂きました。背景の前に置かれた模型は、その商品の実際の活用例の具体的なシーンを連想させます。

*皮製品に焼印風のナンバーをレーザーで入れ込みました。一つ一つ違う番号を入れて行く作業はレーザー加工にぴったりです。

*明治村さんに納品に行き、その時、次の案件として今村内を走っているSLの模型の製作相談を受け、 現在試作中です。今度の価格は、対極ではない価格帯を考えて製作しています。近日中に完成予定、乞うご期待。


2013年5月

<時代を超えて>

アベノミクスの影響で株価は上がり、円は100円を超えるかどうかをうかがい、内閣支持率は高止まりしています。しかし、実体経済では円安の影響が、受注増ではなく電気代やガソリン代の値上げ、さらには仕入れ原材料の値上げとマイナスのほうから影響しだしています。そして安倍政権では、益々増え続ける社会保障費の増大を抑えるために、企業の定年延長をかがけていますが、そうなれば、インフレ率2%が達成され、景気が回復してきても、企業は非正規雇用を増やすだけで、若者の正規採用就職率は上昇しないのではないかとも言われます。そうなれば企業の活力低下は否めないでしょう。

 弊社が協力している「八百屋マン・マーケット」と言う取り組みは、発達障害や学習障害を持っていて就労困難な若者が、この移動式野菜果物販売を通じて就労訓練をしようという取り組みです。この活動をやりだして足掛け4年になりますが、多くのそういった若者はほぼ全員と言っていいほどコミュニュケーションが苦手です。人より早くは出来ませんが、誰よりもまじめで一生懸命です。ただ段取りが悪かったり、飲み込みが遅かったりするだけです。彼らはアベノミクスが実践された社会で働く場があるのでしょうか。彼らの働く場に競争原理はそぐわないような気がします。一昔前なら、人としゃべらなかっても、もくもくとラインに流れてくる部品を組み立てているだけでよかったり、親父と一緒に狭い作業場でこつこつ仕事をする場がありました。それが人件費削減のためにロボットに置き換わったり、機械に代われない部分は人件費の安い海外に移転され、挙句の果てに親父と2人でやっていた仕事すらなくなってしまいました。時代の流れで仕方が無い、生き残るためにはやむおえない、競争に勝つためにはそうしなければならないのでしょうか。その一言で済ませていいのでしょうか。彼ら、彼女らと接していると本当に幸せな日本に向かっているのかと疑問を持たざるを得ません。一昔前に戻ろうと言っているのではありません。時間はもう戻りません。いくら今円安に振れても、いったん移した海外の工場を閉めて国内に帰ってはきません。そういった若者も一緒に働ける就労の場、事業領域を新しく作り出すしかないのです。その新たな事業領域を作り出すときの判断基準は、「共に働く人たちの幸せにつながるのか、お客様が本当に必要とするもの・サービスなのか、そして世のためになるのか」です。長くダラーとしたデフレ不況に慣れてきたところに、急に株価が上がり、円安になりちょっぴり浮かれたマインドになっています。政権が変わり、時代も変わったのでしょうか、それとも時代が違うのでしょうか。時代が変わったとしても、時代を超えて変わらない企業の判断基準は歴然と存在します。人としての判断基準が。

<鉄鋼業界の動向>

 高炉メーカーは3月、4月と相次いで値上げを表明、実行しました。しかし、いったん期待が高まって上向きかけた景気が、実態需要の弱さに足ふみ状態になっています。そのため流通は最終ユーザーへの値上げに手探り状態にならざる得なくなっている。メーカー値上げと一時的出荷増で新たな申し込みを増やした材料が6月以降に一気に入荷した時、需要が膨らんでいないと、大きな落とし穴が待っているかもしれない。


<今月の一冊>「君あり、故に我あり」サテッシュ・クマール著

「人々は行動するときにすぐに具体的な結果を望む。しばしば、人は自分の利益を考える。あるいはアメリカの国益と言うように、国益さえも考える。自分の利益を守るために、個人は他人を搾取し、国家は戦争し、企業は互いに安売りをする。なぜなら、そのような状態において、人は自分の利益と他人の利益に対立を見るからだ。しかし、実際にはそのような対立は存在しない。すべての人の利益は絡み合っている。平和、繁栄、幸福は万人の利益である。これらは、個人的利益が忘れられた時に達成される普遍的利益だ。個人的利益が追求されれば、普遍的利益は失われる。もし普遍的利益が失われれば、個人的利益はどこにあるだろう。」

「仕事を通じて我々は自分を表現する。仕事を通じて人々やさまざまな物質との関係を築く。だから仕事それ自体が美しいものなのだ。仕事を醜くするのは、他人を感銘させたいという欲求であり、名声、名誉、財産への欲求である。いかなる利益を望む必要も無い。あらゆる利益は副産物だ。仕事の主な産物は仕事そのものである」


<最近の動き>

1、弊社が協力している働きにくい若者の就労訓練の場としての移動式野菜・果物販売の取り組み「八百屋マン・マーケット」が、大阪商工信金さんのCSR活動での社会福祉奨励賞に選ばれました。

2、明治村さんから緊急で依頼を受けた「SL-12号」が動輪も動くペーパークラフトで完成し、ご要望通りゴールデンウイークに間に合うように納品させていただきました。

3、先日大阪産業創造館さんの「30台若手経営者」の取材があり、弊社社長が夢を熱く語りました。近日中に産創館の雑誌に掲載されます のでご一読ください。

4、4月末、若手切り絵作家の早崎真奈美さんが 見学に来られました。


2013年7月

<虚構>

安倍政権が発足してはや半年、今まで以上に外交に、内政に次から次と行動を起こしているような気がします。アンケート調査でも内閣支持率が60%台で高止まりし続けているのは近年にない現象です。現在は多少乱高下しているとはいえ株も高騰し、円安も進み景気が回復してきたような数値が今年初めには出ていました。しかし、景気が良くなったと実感しているかとの問いには70%近い人がそうは感じないと答えています。

大阪でも梅田北ヤード再開発として、「グランフロント」がオープンし、又まもなく日本一高いビルを持つ阿倍野ハルカスもオープンを控えています。オープン当初グランフロントは連日大変な人だかりでしたが、一人当たりの消費金額は1,000円にも満たない金額であり、「とりあえず見にいこか」的な発想なのかもしれません。全体の人口は減少し続け、一方で高齢者人口は上昇する都市部において、特に売り場面積当たりの売り上げが例年減少している大阪で次から次へと再開発、地域活性化と称して商業施設ビル群ラッシュ。

プチ東京を目指しているのか大阪。虚構の様な景気上昇を象徴しているように感じます。

前号でも触れた弊社が協力している「八百屋マン・マーケット」で実習している若者が活き活きした顔になる時があります。それはお年寄りのお客様に買って頂いた品物を持って配達に行った時、「ありがとうね」の一言をいただいた時です。自分の行動が他の人の喜びに変わったことへの実感の言葉「ありがとう」という感謝の言葉に変わった時に、彼らは働くということの本当の意義を知ります。

時代が変わり仕事のやり方が変わり、効率を極限まで要求する時代、「昔とは時代が違う」とよく言います。確かに仕事のやり方、方法は昔とは違うでしょう。しかし時代を超えて変わらないものがあります。普段は時間に追われ、利益やノルマに追われ、その為に社員へのチェックが厳しくなり、その反動として自分へのチェックも厳しくなります。食べる為には、家族を支えるためには働かなければなりません。働く場を存続させること、仕事をすることによって家族やお客様に喜んで頂いていることを社員が知る環境を作ることは経営者としての本質的な仕事なのです。その本質的なことを維持し続けるためには利益を出すことが絶対必要条件です。無駄を省き、作業効率を上げることはそのためにも必要です。

虚構の目的ではなく、本質的な目的のための目標になっているか、経営者自らが会社を経営していて、社員達と一緒に働いていて楽しいか、幸せを感じる会社になっているか時々は自問して見る必要があるのではないでしょうか。

<鉄鋼業界の動向>

6月に発生した日新製鋼堺工場の火災の影響で、溶融亜鉛メッキ鋼板が品薄になってきている。その他の品種は、以前にも増して荷動きが悪く、その為に流通在庫が膨らみ、市中相場は横ばいの状態が続いている。高炉メーカーは強気に出ているが、お盆過ぎまでこの状態が続くではないか。

<今月の一冊>「日本で一番大切にしたい会社 U」坂本光司著

「本当の企業の経営とは『5人に対する使命と責任を果たすための活動のこと』であると定義し、使命と責任とは『幸福の追求』『幸福の実現』である。5人とは次の人々のことです。

1.社員とその家族

2.社外社員(下請け・協力会社の社員)

3.現在顧客と未来顧客

4.地域住民、とりわけ障害者や高齢者

5.株主・出資者・関係機関

この5人の中で最もその幸福を追求すべきは、初めの4人、とりわけ『社員とその家族』である。」

「経営者の最大の使命の一つである決断は、いつの時代も「正しいか正しくないか」「自然か不自然か」に軸足をおいてなされなければなりません。」


<最近の動き>

1、梅田グランフロント内にある有名店の看板をデザイン会社さんから製作依頼を受け納品させて頂きました。  

2、犬山市博物館明治村さんに「SL−12号」の続きとして、「京都市電」も完成納品させて頂きました。ホームページにもまもなくアップします。


2013年9月

<芯と勘>

8月の月例経済報告で、「景気は、着実に持ち直しており、自律的回復に向けた動きもみられる。」と発表された。しかし、国内で多数を占める中小企業にとっては「アベノミクス」「日銀効果」が実感できないと言う声が多く聴かれる。「いつになったら忙しくなるんかね」「もうしばらく辛抱すると自分の所へも仕事が回ってくるかね」と時々聞かれることがある。その時はこう答えます。「いつまで待っても 以前のように大手が忙しくなって、その後我々中小企業に仕事が回ってくるということはないですよ」と。ピラミッド構造をしていた一昔前の製造業では、上から下へ仕事が回ってきたものであるが、その構造自体が消滅してしまった以上、今その期待は薄いと言わざるを得ない。大型予算が組まれたアベノミクスは、上の方で水平に動いているのです。

あるコンサルタント会社の社長さんに個人的に「世間はどうですか、どの業界が忙しくなるのですかね」とお聞きしたところ、「いつの時代もどんなに忙しい業界でも暇な会社はあり、どんな景気の悪い時代でも、業績を伸ばす企業はあるものです。」と言われました。景気のいい業界にいるかどうか、今国内景気がいいか悪いかを一喜一憂している暇があれば、お客様のところに行き、色々な人たちと出会える場に行き、話を聞き、自らの考えを振り返り深めることに時間を費やすほうが数倍ましなのです。

又、ある日、昔 林業に携わっていたお爺さんと立ち話をしてお聞きしたことです。「戦後植えた木を切る時、もう少し太くなったら縦柱が4本とれると欲の皮突っ張らしてできた柱は、将来必ずひずみが出るのじゃ。それはな、芯をはずして使っているからなのじゃ。大きくすることだけがいいのではない。大事なことは真ん中に芯が通っているかどうかなのじゃ」含蓄の深い言葉でした。売上を上げるためについあれもしてこれもしてと、商品アイテムを増やしたりして手を広げがちですが、そのお爺さんの言葉通り芯をはずして広げてはいけないのです。広げることよりまず自社の強みを何に絞り込むかということが大事であり、その答えを教えて頂けるのはお客様であり、まったく異業種の方との話の中にヒントがあるはずです。あふれる情報の中で絞り込む、芯を見つけることは情報がありすぎるからこそ一昔前より大変かもしれません。最後に前国連難民高等弁務官であった緒方貞子さんの言葉を紹介します。「リーダーの使命は決めることです。色々な人の話を聞いて、それらの話を総合的に考え、どの方法が人々の幸せにつながるかを基準にして決断します。そして最後の最後の判断基準は勘です。」

何が自社の芯なのか、何が自社の強みなのか、色々な人と話してもなかなか解らない時はエイヤーと勘できめてしまうことですね。

<鉄鋼業界の動向>

全体的な動きはまだ軟調といえども、予想通り盆休み明けから流通価格の値上げがささやかれてきた。自動車業界も4月までさかのぼっての値上げを了承した事もあって、メーカーも強気に出てきている。まだ若干手探り状態の感があるが、流通の在庫は新価格に大半が変わったため、上げざる得ない状況になってきている。今年の秋は例年の秋需に加え、来春の消費税上げ前の前倒し需要も加味されて昨年以上には動くであろうと予測され、その時に一気に値上げの話が充満してくるものと考えられる。

<今期の経営計画作成にあたって>8月の弊社の期首に作成している経営計画書の第1ページに載せている文の抜粋です。

「(前文略)実感のない景気回復の中にあって、なかなか上がらない売り上げにやきもきすることもありましたが、数軒に及ぶ新たなお取引様ともつながりができ、ペーパークラフト商品も少しずつではありますが売上を伸ばしてきました。しかし、クレームが22件と目標には遠く及ばず、レーザー部門もまだ安定した売り上げには至っていません。(中略)

新たな仕事を生み出していくためには、今ある仕事を大事にしなければいけません。常に意識を高く持ち、社員一同よりよい商品を提供し続けるよう心掛ける必要があります。経営理念に掲げる「あらゆるお取引様に安心される企業活動」を行うために徹底した3S,お客様目線の商品作りを目指していきます。」

<最近の動きとお知らせ>

1、市内結婚式場の改装工事で、あるお客様を通じてデザイン性の高いレーザー加工したパーテーションを約300u 納品させて頂きました。

2、製缶板金をされているお客様から、機械部品一つ一つに異なるマーキング加工をさせて頂きました。 

(お知らせ)

1023,24日「中小企業勧業展」、1127,28日「ビジネスフェスタ2013」共にマイドーム大阪で開かれ、今年も出展いたします。今回は、若手の切り絵作家の方の作品と、その方がデザインし、弊社が製作した商品を中心に新しい試みの展示をします。若い力の発揮です。

改めてご案内いたしますので、是非ご来場下さい。



2013年11月

<今、船長のなすべき事は・・・>

大手家電メーカーの中間決算が発表され,各社共大幅赤字から一転して黒字予測と大改善しました。しかし、その内容は人員整理、赤字部門閉鎖、関連会社売却といったマイナスを切る事と、円安と言う外部要因によるところが多大であったようです。次の一手が描けない中でとりあえずの緊急の止血処理だけを施した感があります。

安倍政権は101日、来年4月の消費税3%アップの8%を表明した後、第三の矢を放つために弓をキリリと引き絞り、凍結されていた公共事業復活、大企業の希望を入れた法人税減税を伴った矢を放とうとしています。この消費税のアップは、福祉目的税とされていますが、福祉を充実させるのではなく、このまま行くと破綻する福祉財源を補填するもので、これも言い換えると止血処理です。消費者物価指数が上昇に転じたことも、デフレ脱却の端緒とみられ、消費税アップの要因の一つとされています。しかし、実態は円安と異常気象で、食料品を含む日常品の値段が高騰しているだけです。あふれた資金が設備投資や賃金に回らず、この状態で消費税が上がると、大企業、大金持ちが優遇され、一般庶民、中小企業にとって厳しいものがあるような気がします。全企業が納得していた「復興特別税」は1年前倒しで中止にする一方で、首相自らがトルコに再度出向き原発をトップセールスする、「おもてなし」の真の心はどこへいったのか怒りさえ覚えます。

いつの時代も事業をやっていく単年度の中にも山や谷があります。特に谷はある時には外部要因も重なって深くえぐれるときもあります。山は低く、谷は深く感じるものです。

1年と言う永い航海の途中には、好天の日ばかりではなく、緊急の対策を講じなければならないときもあります。大きなうねりに飲み込まれて航路を外れそうになる時もあるでしょう。しかし、まさにその時「今、船長のなすべきことは、眼前の荒波を乗り越えることと、たどり着くべき港を見つめること」です。乗り越えてから見つめるのではなく、見つめながら乗り越えるのです。売上が急減した時、「新規開拓をもっとやれ」とハッパをかけるでしょう。しかし、たどり着くべき港を見つめてハッパをかける時は「これから、○○の業種、△△に関連するお客様を獲得することに全力をかけよ」とより具体的になるのです。

たどり着くべき港を見つめながら眼前の荒波を乗り越える努力をすることは、日常的な船長の大きな役割ですが、目的の港に着いたら、次の航海に向かっての準備をし、次の港を決めて再び帆をあげて荒海に出航しなければなりません。そう考えると、船長の最も大きな使命は、港にたどり着くことではなく、それはあくまで通過点の目標であり、真の目的は乗っている船そのものを、そして何より乗員、乗客、積荷の安全・安心を確保しつつ航海を続けることなのかもしれませんね。

<鉄鋼業界の動向>

 来年4月からの消費税アップが決まったにもかかわらず、駆け込み需要的な動きが各業界にあまり見られない。その為、一般鋼材は多少強気な面もあるが、薄板関連は手探り状態が続いている。海外ユーザーはその国での材料調達を増やしているので、海外自動車メーカーが増産しても国内高炉メーカーの動きには連動してこないのが現状である。

<今月の一冊>「2052(今後40年のグローバル予測)ヨルゲン・ランダース著

「成長しさえすれば、分け与えなくても、あるいは人間の活動領域を狭めなくても、貧困を撲滅できると思いこみたいのだ。この幻想に浸っていたいために、私達は「経済成長」という言葉の二つの意味をあえて混同しようとする。その一つの意味は「経済が物理的に大きくなること」であり、もう一つは「費用を上回る利益をもたらす経済の成長」ということである。さて、本来「経済成長」という言葉にこの二番目の意味は含まれているだろうか。否、含まれていない。経済が大きくなれば私達は必ずもっと豊かになるという信念は、この混同がもたらす誤解なのだ。(中略)ミクロ経済学の目的は、経済活動の最適な規模、すなわち、これ以上拡大すると限界費用が限界利益を超え、活動が不経済的になってしまう規模を見つけることにある。この『限界収入=限界費用』という目安は、企業の成長をストップさせる「潮時のルール」とさえ呼ばれている。」

<最近の動きとお知らせ>

11023,24日に開催された「中小企業勧業展」に、多数の皆様においでいただき、感謝申し上げます。ここ数年、毎年勧業展には出展してきましたが、今年は過去最高のお客様が弊社のブースに来ていただきました。それというのも、今年は若手切り絵作家である「早崎真奈美」さんとコラボして取り組んだのが注目していただけたのではないかと思います。堺にお住まいのある一般客の方がブースに来られ、お話しさせて頂くと、その方は毎回弊社のブースを見るのを楽しみにして来て頂いているそうです。「今年もおもしろいね、来年も楽しみにしてるよ」とありがたいプレッシャーを頂戴しました。

21127,28日に同じマイドーム大阪で大阪産業振興機構主催の「ビジネスフェスタ2013」に再度出展します。今度も切り絵作家さんの作品と、それをレーザーで縮小した商品プラスαを展示する予定です。 

 皆様のご来場を社員一同お待ちしています。