2015年


2015年11月
<小さな会社の大きな信頼>

横浜のマンションの傾きから、基礎杭の偽装が発覚し、大きな社会問題となっています。大手デベロッパーが建てて、大手建材メーカーがその基礎工事を請け負っていたので、住民は安心していたのでしょう。確かにその後の保証の話などは、大手ならではの条件提示になっていますが。

このニュースを聞いて、弊社が今の社屋に建て替えた時のことを思い出しました。今から約30年前、当時親戚から紹介された中小企業の建設会社に建て替えを依頼しました。その建築会社は、小さいけれど、大手企業の下請けではなく、大手企業の社屋も建てるぐらいの会社で、重量物を取り扱う御社なら信頼できるよと言って紹介されました。建てるにあたって、すぐ隣のマンションの地主さんから、そのマンションを建てたときの地質調査図を借りてきてくれて、その図面を参考にして、基礎杭を何メーター打ったら固い地質に届くか調べてその通りの杭を準備してくれました。ところが、最初の1本目で止まるはずの杭が止まらなかったのです。すぐに我々のもとにその旨の連絡があり、急に長い杭を用意することができないので、杭の数を2割増やしますと言ってきました。その通りに打っていった所、2本目からはすべて予定の深さで止まったのですが、約束通り2割増しの杭を打ってくれました。勿論、最初の見積もり通りの値段です。

最初の1本が多少沈んでも、これだけ打っておくと、50年や100年で傾くことはありませんと断言してくれました。30年たった今もその通り傾きはありません。

そして、この小さな建設会社の現場責任者は、誰よりも早く来て現場の前だけでなく、広く地域周辺を掃除し、仕事が終わったら、水を使って道路の泥や汚れを丁寧に洗い流し、忘れ物や、ごみが落ちていないかチェックして帰っていきました。完成するまで毎日それの繰り返しです。ご近所の方からお褒めの言葉をいただいたくらいです。

そのまだ若い現場監督に、よくやってくれるね、とねぎらいの言葉をかけると、その若者はこう言いました。「私たちは、お客様の建物を完成させたら一応仕事は終わりですが、そのお客様は、その後ずっとその地域にいらっしゃいます。ですから、我々の仕事は、いい建物ができたねと言われることも大事ですが、いい会社に建ててもらったねとご近所の方に施主様が言われることの方がもっと大事だと考えています」と。

今も、その建設会社は同じ場所で、同じ大きさの小さな社屋で頑張っています。

大手になればなるほど、社長の声が社員に届かず、社長自身も使命を忘れてサラリーマン化してしまいます。小さいからこそできることがある。そして、良きにつけ悪しきにつけ、会社は社長次第であると肝に銘じなければならないでしょう。

<今期経営計画作成にあたって>

「ハイ・メタルとして創業して10年がたちました。10年の間に我々は多くのことを経験し、学んできました。四角い風船の製作、レーザーの導入、リーマンショックによる大幅減収、博物館明治村との取引、鉄腕ダッシュへの出演等色々なことに出会いました。他のシャーリング屋さんでは受けるどころか話も来ない案件、出会うことのない人や企業との取引を経験してきました。しかし、色々な新規取引先を確保するも、今までの主要な取引先の廃業や競合他社からの参入などの影響で、売上はなかなか伸びませんでした。低迷する売上げをどのようにして補っていくかが今後の課題となるでしょう。

まだまだ景気回復の見通しが立たない中、他社と同じことをしていては生き残れません。他にないオンリーワン企業になるべく会社は新たなことに挑戦し続けてきました。創業当初は金属とその加工品の販売しかありませんでしたが、レーザーを導入することにより、紙、木、アクリルといった素材への加工が可能になり、今では自社で設計した商品を販売できるようにもなってきています。少しずつではありますが自社は変化、成長しています。今期も、そしてそれ以降も、新たなことに挑戦し続けていきたいと思います。新たなことに挑戦していくことで成長し、その姿勢をお客様に見て頂くことこそ、自社にとって最大の営業活動になるのではないでしょうか。又、その活動の中から生まれた人間関係はかけがえのないものであり、その人間関係が新たな出会いを生み、今後の自社が成長していく中で必要不可欠なものとなるでしょう。」


<最近の動き>

  1. 10月の「大阪勧業展」に、多くの皆様にお越し頂き、感謝申し上げます。又、新たな出会いも多数生まれ、今後のご縁として大切に育てていきたいと思います。ありがとうございました。
  1. 118日(日)に東成区民センター(2F大ホール)で、「ものフェス2015(新ものづくりフェスタ)」が開催されます。今年から、弊社を含めた参加企業8社が話し合いを繰り返し、自主的運営を心がけ、準備をしてまいりました。地域に目を向け、東成商店街とも連携し、「ひがしなり街道玉手箱」という地域活性化の取り組みの一つとして、今回は実施します。12時から16時までと短い間ですが、今まで続いていた「ものづくりフェスタ」の火を消すことなく、継続することで新たな出発として取り組みます。是非お越しください。

2015年9月
<価格決定>

前号にも書いた「八百屋マン・マーケット」での取り組みは色々なことを教えてくれる。

GDPの7割は個人消費と言われていて、その個人消費の財布のひもを握っているのは女性であり、「マーケット」に来られるお客様の95%はおばちゃん、お婆ちゃんである。だから、価格にはシビアであり、敏感である。

価格を決定するには、原材料費に加工賃、経費、利益をプラスして決める積み上げ方式と、ライバル店や、市場の動向を見て、これくらいの値段でないと売れないのではないかと予想を立てて、その価格で販売して利益が出るように、経費や、加工賃、原材料費を考える市場価格方式とでもいうような決定の仕方の二通りがある。

わが社の本業である材料販売では、基本は積み上げ方式であるが、どの業界にもライバルは存在しているために、市場の景気動向が影響を与える。景気動向の一つが需要と供給のバランスである。

一方「八百屋マン・マーケット」の方は、市場価格方式でないと全く売れない。スーパー等がほうれん草を1パック150円で売っていれば、仕入れが150円では売りようがない。しかし、最近スーパーでも見かけるように高齢者家族や、単身者向けに「食べきりパック」といった、少量にした袋詰めで売られているのがある。我々が販売している地域は、買い物に困っているお年寄りが多い地域に出向いているので、150円で仕入れたほうれん草を、その地域の人たちの必要な量に詰め替えることによって原価は下がり、スーパーと違って間接経費の少ない我々の方が買い求めやすい価格にすることができる。扱うものが食べ物だけに、必ず必要なものではあるが、ほうれん草が200円を超えるような高値になると、主婦は手を出さない。それに代わる葉物野菜で栄養をカバーしようとする。天候等の影響で供給が大幅に落ち込んで値段が高くなりすぎると、需要が減少し、値段は下がりだすものである。大量仕入れする大手スーパーと対抗するのはしんどいね、とよく言われるが、全く逆である。大手スーパーが近くにあればあるほど、お客様は自然と寄ってきて、価格設定を柔軟にでき、コミュニケーションで売る強みはこちらにある。大手にとって我々みたいな小商いは目の敵にはされないのである。だからこちらもライバルではなく、お客さまを呼んできてくれる広告塔とみている。いわゆるコバンザメ商法である。

価格は積み上げて決めても市場の影響を受けるが、どこに売るか、誰に売るか、どのような仕様にして売るか、付加価値を付けるのか、お客様にとって必要ないものはどんどん省いて売るのかといったように、価格は外部要因で決まるにしてもそれは大枠であって、最終的に決める価格には、大いに知恵を働かす余地があるものである。

<最近の鉄鋼の動向>

高炉メーカーをはじめ鉄鋼業界の関係者の間で、輸入鋼材に対する懸念が広がっている。上半期の普通鋼鋼材輸入量は1月を除き30万トン台で推移し、40万トン以上に急増した一昨年度後半、昨年度上半期に比べると落ち着いた状況とみえるが、足元では韓国、台湾、中国などから安値での販売攻勢が強まっており、店売りを中心に市場は混乱気味。1ドル=120円台の円安にもかかわらず、それを上回る水準で海外では供給過剰、市況下落が続いており、各国で強まる保護貿易措置で宙に浮いた鋼材が日本にも押し流されてくる惧れが高まっている。日本鉄鋼連盟は公正貿易委員会で輸入鋼材のモニタリング調査を実施しているが、今後、警戒レベルを引き上げる構えだ。


<今月の一冊>「103歳になってわかったこと」篠田 桃紅著

「自分の目で見れば、新しい発見、新しい喜びがある」

「新しいものに接するときは、うぶなままでいたい。感動する気持ちがあれば、この世は楽しい」

「夢中になれるものが見つかれば、人は生きていて救われる。頭で納得しよう、割り切ろうとするのは思い上がり」

「人には柔軟性がある。これしかできないと決め付けない。完璧にできなくったっていい。人生に楽しみは無尽蔵」

「受け入れられるか、認められるかよりも、行動したことに意義がある。人の成功を見届けてからの、後出しじゃんけんではつまらない」

「真実は見えたり聞こえたりするものではなく、感じる心にある。察することで真実に近づける」

「幸福になれるかは、この程度でちょうどいい、と思えるかどうかにある。いいことずくめの人はいないし、一生もない。」


<最近の動き>

今年も1021日(水)、22日(木)の両日に開催される「大阪勧業展」に出展します。例年と同じ会場「マイドーム大阪」で、初日は10時開場、二日目は9時半からです。今回も新しい取り組みのペーパークラフトを出展する予定ですので、是非お越しください。


2015年7月
しょう正は商なり>

毎週土曜日、筆者が取り組んでいる「八百屋マン・マーケット」での出来事です。

新物のトウモロコシを販売していたところ、皮が被った状態で販売していたため、あるお客さんが、「これ大丈夫?」と聞いてこられました。中身がたまに水分が飛んでしなびた状態になっていることがあるからです。ためしに一つ皮をむいてみると、一部がしなびていました。他のものもむいてみると他はすべていけたので、その中から買っていただきました。今度は別のお客様に、「このとうもろこし甘い?」と聞かれました。「ぶっちゃけ、これはまだ食べていないのでわかりません」といったん答えたが、「そや、一部がしなびていたために、下げてあるやつがあるので食べてみましょう」と言ってお客様と一緒に少し食べました。お互い顔を見合わせて「甘いね、いけるね。」そのお客様は残っていたトウモロコシをすべて買ってくださり、その上「今日初めて来たんやけど、又来るわ」と言っていただきました。それを聞いていて横にいたお客様が、1個だけ残っていたレタスを指さして、「これ大丈夫?」と聞いてこられたので、「今日は暑い日で、こんな状態で売っている最後のレタスだから、あまりお勧めできません」というと「ほんならやめとくは。でも正直に言ってくれたから、代わりに果物買っていく」と言って甘夏を買っていただきました。きっとこれで新たなリピーターがお二人増えたと思います。

初めて来られたお客様に「これおいしいですよ、おすすめですよ」と言って買っていただいた方が、時々翌週に来られて「あれおいしかったわ」と報告に来ていただくことがあります。そういう方は「今日はこれがおすすめです」と言うとほぼ100%その商品を買っていただけます。「このオッチャンの言うこと、間違いがないわ」とチョッピリ心の中で思っていただけているのだろうと自惚れています。

多くの業種において、国内での市場が縮小していく中にあっては、現状維持は衰退でしかありません。常に新規開拓を心がけて実践していかなければならないのが現実です。新規獲得も大事ですが、その新しいお客様をいかにお得意先(リピーター)、固定客になっていただくかがさらに重要な課題です。それは、自社の、自分のファンを増やす以外にありません。市場経済には競争原理が過酷に働きます。「何が何でも」「蹴落としてでも」「もっと早く」とつい叫びます。しかし『正直な商い』はそのどの言葉にもなじみません。基本は常にどっしりとしたものであり、長い時間をかけてつちか培われるものです。消費者の方、特に経済の根幹を握っている主婦の方々と直接接する「八百屋マン・マーケット」の取り組みでは、色んなことを実体験として学ばせていただきます。

<最近の鉄鋼の動向>

住宅着工には下げ止まりの傾向がみられるが、公共工事は補正予算が終了し、唯一産業機械関連が堅調に推移しているのみである。国内の雇用、所得環境に若干の改善がみられるものの、全世帯消費支出は13か月連続の減少し、先行き不安からか財布のひもは閉まったままである。こうした中で、粗鋼生産量は7か月連続の減産を余儀なくされていて、それでも、流通には過剰感が漂い、弱含みで推移している。


<今月の一冊>「魂の商人、石田梅岩が語ったこと

山岡 正義著

「あれこれと言葉を使って相手を言いくるめようとするのでは、良い商人といえません。何事もありのままに言うのが良い商人なのです。自分に他人の誠実・不誠実が明らかなように、自分の誠実・不誠実を他人は簡単に見抜くものです。このことに気付かいない人が多い。この道理を心得ていれば、言葉を飾らず、ありのままに言うのが常となるので、あいつは正直者だと人から信用され、その結果、よその倍売ることも可能になるのです。人に正直だと思われ、人から警戒されない人間でなければ、商人としては決して成功しないものです。


「どこの国でも、小さなことの中に大きなことを見抜く者は少ないようです。大きな教訓は身の回りの凡事に隠れている。雑事をこなせば大事もなせるなど、いかようにも応用できる真実の言葉であり、日本の多くの百年企業における分をわきまえ、身の丈を守り、いたずらに規模を追わない、堅実な『小商い』にこそ、現在に生き残るための大きなヒントが隠れている。もちろん、ただ時代から遅れて、ガラパゴス的に古さや小ささを守るだけではいいはずはありません。伝統の上に立って、常に革新をしていかなければ生き残ることは難しくなるからです。」


<最近の動き>

  1. 博物館明治村の「村なみシリーズ」に「神戸西洋人住居」「品川硝子製造所」が完成、追加します。
  1. 昨年まで行われていた「東成・生野ものづくりフェスタ」が今年から中止になったことを受けて、中小企業家同友会の仲間の呼びかけで、自ら新たな情報発信する場を作ろうという取り組みにお声掛けいただき、秋の実行に向けて取り組んでいきます。



2015年5月
<利益の源泉は現場、お客様にあり>

3月の日銀短観では、業況判断指数が製造業では大企業では前回の12月の調査と比較すると横ばいであるのに、中堅・中小企業は共に3ポイントのマイナスになっている。非製造業でのそれは、2から4ポイントの好転をあらわしているが、先行きでは製造業・非製造業ともにマイナスを予想している。中小企業家同友会の調査に限ってみれば、昨年の4〜6月期依頼4期連続のマイナスである。消費税の増税以降、日銀の異次元の金融緩和政策、アベノミクス円安にも関わらず、一向に景気の上向きが感じられない中で、株価だけは上昇を続けている。ある経済評論家によると、次の消費税上げをしやすくするためにも株価だけは上昇させておかなければならないとみている。その為に、取っている政策がNISA(小口投資)やGPIF(厚労省所管の年金積立金管理運用独立行政法人)による株式投資枠の拡大といった投機の垣根をさらに低くしていく政策である。これにより日本人の投機が増え、株価上昇を下支えさせることで大企業の含み資産が増え、その恩恵が又一般国民に回ってくるというシナリオを描いているのであると論じている。現在、投機の3割を占めていると言われる外国のファンドは、この政策をどう見ているのであろうか。

 「浮利を追わず」バブル崩壊の教訓はそろそろ薄れかけてきたのか。本当の利益はどこから生まれてくるのだろうか。

企業にとって利益の源泉は、現場にしかない。現場とは製造している工場であり、販売している店の中である。そして、利益そのものはお客様側からしか発生しないのである。そう考えると、お客様といかに親密になれるか、企業間取引を超えた人間関係が築けるかが重要である。事務所でじっと考えているだけでは、絶対にそんな人間関係は生まれてこない。会社が存在しているのが日本国内である中小企業にとっては、いかにグローバル化の波が押し寄せようとも、日本独特の商習慣であったり、三方よしの経営観であったりを大事にし、相手にまず利ありの考えがないとその関係は築けないのである。

昔、先代が心を許した得意先の社長が「もうあかん」と愚痴をこぼしに来た場面に出くわした事がある。弱音を吐いたことのないその社長に、その時、先代はそれを諌め、励まし、その後も他の仕入れ先が引いて行く中で、今まで以上に供給し続けたことがあった。「もし、先方がつぶれたらどうすんねん」と問い詰めたら、「あきらめるだけ」と言い切った。その方針が経営者の独善であり、他の社員にとっていいのかどうか大いに疑問もあるだろう。しかし、そんな経営者が少なくなってしまった事だけは事実である。そのことがいい事なのか、そうではないのかの答えは各自で考えて行ってほしいものである。

<最近の鉄鋼の動向>

高炉大手は、4―6月積み原料炭の調達価格を1―3月比6%引き下げることで大手山元と合意した。中国の需要停滞でスポット市場の軟調が続く中での一段下げである。鉄鉱石は既に11%安で決着しており、原料安傾向が続き、高炉各社は、販売価格と主原料価格の差の改善と、コスト削減で収益回復に努めているが,国内では消費税増税影響が長引き、国内鉄鋼需要関連指標には足元で弱い動きもみられる。さらにアジア市場の需給緩和、頻発する通商問題、コスト増等による国内の建設計画見直し、電力をはじめとする諸コストアップ、原油安にともなうエネルギー関連需要の縮小など日本鉄鋼業をとりまく不透明要因も多い。引き続き景況感、内外経済動向などに傾注する必要がある。


<今月の一冊>「私の仕事」 元国連難民高等弁務官 緒方貞子著

「人間は仕事を通して成長していかなければなりません。その鍵となるのは好奇心です。常に問題を求め、積極的に疑問を出していく心と頭が必要なのです。仕事の環境に文句を言う人はたくさんいますが、開かれた頭で何かを求めていく姿勢がなければなりません。」

「私が心掛けているのは、現場事務所の裁量を増やすことです。まかせられる裁量の大きさが仕事への動機づけになるからです。それが自ら問題設定をして取り組む姿勢につながります。裁量が少ないということは、責任も少ないということで、そうなると現場ではなく事務所で仕事をするようになります。」


<最近の動き>

1.開創1200年を迎えた高野山のお店に、今回復興された「中門」のペーパークラフトを納品させて頂きました。

2.デザイナーさんとコラボレーションして新しいものを生み出すために、弊社の製造現場の見学に10名近い方が訪問されました。見て頂いた方の中で、イメージがわいた方と今後話し合いをし、お互い新しい道を模索していきます。

3.ある方のご紹介でお知り合いになった不動産関連の企業さんに新しい建築モデルを提案させて頂きました。



2015年3月

<競争>

216日内閣府発表が発表した20141012月期の実質GDP速報値は、前期比0.6%増で、年率換算で2.2%増でした。民間予想(3.5%増)を大きく下回ったものの、消費税UP後初めての増加でした。しかし、内訳を見ると、GDP6割強をしめる個人消費は0.3%増と回復力が弱いのが読み取れます。円安による外需産業の伸びが数字を押し上げましたが、産業構造が転換した今、内需主導型の景気浮揚が起こらなければならないが、その足取りが重いことがわかります。

 世界的大ヒットとなった「21世紀の資本」の作者であるフランスの経済学者「トマ・ピケティ」氏が、先月初め来日しました。アメリカほどではないにしても、日本でも所得格差が広がりつつある、と言う彼の意見。アベノミクスがさらに加速させると批判しています。自由経済の中では、格差が出るのは仕方がないこと。差が出ることがやる気を促進する。競争をすれば必ず位とビリがでる。世界でも数少ない格差のない国であった我が国が、格差社会になってしまうのは、自由経済の下では仕方がないことである等の意見も聞こえてきます。昨年厚労省から発表された「国民生活基礎調査」によると、1985年の貧困率は12%であったのが、2012年には16.1%に上昇しています。その中でも、最も気になるのが子供の貧困率です。それは10.9%から16.3%と全体の上昇率以上の上昇率を示しています。

 私達も企業であり経済活動をしている以上、競争原理を持っています。しかし、小学校の運動会でも6年生と、1年生が同じスタートラインに立って徒競争をすることはありません。又、借り物競走や、障害物競走では、足の速い子が一概に勝つとは限りません。勉強ではチョッピリ負けていても、カケッコではがぜん張り切る子はいるのです。

大企業があり、小企業がある中で、それらが同じ条件で競争するのは、6年生と1年生が一緒に走るようなものです。しかし、その1年生も、障害物競走や、借り物競走ではひょっとしたら6年生に勝つかもしれません。「多勢に無勢」と言われるものの、常に小が負けるとは限らないのは歴史が証明しています。小が勝つ時は、戦術・戦略を駆使し、知恵を絞って勝つのです。相手が大手だからと言って、戦わずして白旗を上げるのはいかがなものでしょう。同じ土俵で戦わない、戦うとしたらできるだけ小さい土俵にして戦う。違う形の土俵は無いか探して見る。何もしなければ平均5%ずつ売り上げが減ると言われます。そうであるならば20年たったら売上0です。だから、会社を維持するだけでも、新しい売上作りを常にしていかなければならないのです。競争は避けて通れません。人を蹴落としてでもとは考えたくありません。できれば、競争のせめて少ない市場を発見して、そこに新しい力を投入し続けたいものです。

<今月の一冊>「始まっている未来」 宇沢 弘文・内橋 克人著

「マクロ経済を成り立たせる二つのセクター、つまり競争セクターと共生セクターはそもそも原理が違うということです。競争セクターは分断・対立・競争を原理とし、その隙間に利益チャンスをはめ込む。これに対して共生セクターの原理は、連帯・参加・協同であり、共生セクターの足腰をいかに強くしていくか、それが21世紀最大の課題ではないか。

次に、共生経済とは、『F(食料)・E(エネルギー)・C(ケア)の自給圏』を人間の生存権として追及していく経済のあり方です。一定のエリア内でこのFとEとCの自給圏を築くことは人間の基本権に属するものだ。これに対してはむろんのこと、保護主義に通じるとか、グローバル化に反するとか、反論があるでしょうが、FEC自給圏の形成は『すでに始まっている未来である』と数々の先駆例を持って示してきました。」

 「FECを人間の生きる基本的な条件としていかに確保していくか。それには、これらのきわめて限界的な資源を「作れるのに作らせない」そして、「買わせる」というグローバリズムのあり方にまず異を唱えること。」

 「巨大な国家を超える多国籍企業が世界を支配する中で、現実に行われている交易は、世界に6万社と言われる巨大な多国籍企業同士の取引が約1/3、次に親会社と子会社、たとえば日本のトヨタとアメリカのトヨタのような海外法人と親会社の取引、つまり超国家企業の内部取引が同じく約1/3、言うところの国際交易とか、本当の意味での国際協調を支えている貿易は、残りわずか1/3に過ぎない。ですからFEC自給圏を唱えたからと言って、それが保護主義であるとか、戦争に結び付くとかいう議論は、私達からすれば噴飯ものです。」

<最近の動き>

1、愛知県犬山市にある「博物館明治村」が、今年、開村50周年を迎えます。それに合わせて、色々な行事が企画されていて、ミュージアムショップの拡大も計画されています。明治村様と取引させて頂いている弊社も「村なみシリーズ」と銘打ったNゲージサイズのペーパークラフトを充実させています。春に3作品、夏までにもう3作品位を追加製作して行くつもりです。広々として清掃も行きとどいた庭園に、多くの明治時代の本物の建物が建っています。是非ご家族でこの機会に行って見て下さい。

2.高野山も今年開廟1200年を迎えます。 それに合わせて復興された「中門」のペーパークラフトの展示品作りに入っています。


2015年1月


明けましておめでとうございます

<祭り考>

昨年末、「アベノミクス」の真偽を問う衆議院議員選挙が行われ、低い投票率の結果、自民党が与党第一党の座をキープしました。政策が承認されたとしていますが、その賛否は別として、しばらく安定与党政治が続く事は確実です。その政策の中の目玉の一つとして「地方創生」があります。年末年始テレビを見ていると、毎年必ず大晦日の日は、お寺で除夜の鐘を聞き、年が明けると神社で拍手を打つ風景が流れます。外人から見ると日本人の宗教心はどうなっているのか不思議に感じるそうです。

私自身、平野区に住んでいるので、近くの杭全神社に元旦早朝お参りに行きます。平安時代の坂上田村麻呂の息子の廣野麻呂がこの地を統治していた為に、後世この地を「平野」と呼ぶようになったという説がありますが、この地では、この杭全神社の祭りがさかんで、岸和田のだんじり祭りと並び、古くから続いている祭事です。最近、東大阪市などではとみに住工混在が問題視されていますが、この地とよく同列で取り上げられる東京の大田区や墨田区とでは根本的に大きく違う所があります。それは、東大阪市は元々市内にあった工場が手狭になり、東大阪に移っていったという経緯がある為、その経営者はその地域に住んでいない方が多く、大田区や墨田区ではその経営者の方がその地域に住んでいるという点です。先の平野区は、大田区のように大阪市内でも職住一致している地域です。町工場が多く、その経営者は会社から近いその地域に住んでいる方が多く、祭りが続き、盛んなのもそのことと無縁では無いように思います。

色々な地域で独自の祭りが行われる日本。祭りは基本的に神事として行われますが、その祭りの中心人物は若者です。先達がしきたり、いわれを教え、若者たちがそれにのっとって祭りを行います。このことが地域のコミニュケーションを深め、日常的なその地域の活性化につながっているように思います。このように年に一度といえども祭りの盛り上がっている地方は、他の地方より人口流出が少なく、平均年齢も若干といえども低いのです。地方の町が消えようとする時、その町の祭りはすでに成り立たなくなってきているのです。

活性化するには祭りにおける神社のように核となるものがいります。神社は基本的に敷地内は常に開放されていて、鎮守の森があり自然と共存していて、平等に接してくれます。

会社が活性化するのも同じかもしれません。核になるのは、当然経営者であり、経営理念です。地域に開放されていて、コミニュケーションが取れる関係性があることが大事なことでしょう。

<今月の一冊>「社会的共通資本」 宇沢 弘文著

「ゆたかな社会とは、すべての人々がその先天的、後天的資質と能力とを充分に生かし、それぞれの持っている夢とアスピレーションが最大限に実現できるような仕事にたずさわり、その私的、社会的貢献に相応しい所得を得て、幸福で、安定的な家庭を営み、出来るだけ多様な社会的接触をもち、文化的水準の高い一生をおくる事が出来る社会である。このような社会は、次の諸条件を満たしていなければならない。

1.美しい豊かな自然環境が安定的、持続的に維持されている。

2.快適で、清潔な生活を営む事が出来るような住居と生活的、文化的環境が用意されている。

3.すべての子供たちが、それぞれの持っている多様な資質と能力をできるだけ伸ばし、発展させ、調和の取れた社会的人間として成長しうる学校教育制度が用意されている。

4.疾病、傷害にさいして、その時々における最高水準の医療サービスを受ける事が出来る。

5.さまざまな希少資源が、以上の目的を達成するためにもっとも効率的、かつ衡平に配分されるような経済的、社会的制度が整備されている。」

「社会的共通資本とは、一つの国ないしは特定の地域に住むすべての人々が、豊かな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する。社会的共通資本は自然環境(大気、水、森林等)、社会的インフラ(道路、交通、電力、ガス等の社会資本)、制度資本(教育、医療、金融、司法、行政等)の三つの大きな範疇に分けて考える事が出来る。」


<最近の動き>

111月中旬の三日間、東京ビッグサイト「中小企業新価値創造展」に出展しましたが、残念ながら例年になく来場者の方が非常に少なく、今一つ盛り上がりに欠けた展示会でした。しかし、何事も経験、勉強だと考え、この経験を次回出展に生かすようにしたいと思います。

2、年末恒例のミカンの販売に、たくさんのお客様からご注文をいただきありがとうございました。1221日の日曜日、弊社の3トントラックで約1トン近いミカンを和歌山まで引き取りに行き、月、火と二日間かかって箱詰め作業を行いました。 収益は今後の「八百屋マン・マーケット」の活動資金として活用させて頂きます。 ご協力ありがとうございました。